Commons:メタデータの編集
デジタルカメラで撮影された画像は主にExif情報が埋め込まれたJPEG形式の画像です。写真が撮影された日時、露出設定、焦点距離などが自動的に記録されます。著者や著作権に関するExif情報を画像に追加することもできますが、この場合でもウィキメディア・コモンズでは著作権タグを記入する必要があります。
コモンズにおけるExifの使用目的[edit]
Exif情報はあらゆるメタ情報をファイルに直接保存することができますが、適切な画像の説明を置き換えることはできません。情報はMediaWikiソフトウェアによって画像の説明ページの「メタデータ」セクションに表示され、画像の利用に役立てられます。
ライセンス情報[edit]
Exif情報はコモンズからメディアをダウンロードして、再利用する利用者がライセンスに従わない場合に役立ちます。複製した画像のExifにライセンス情報が自動で記録されるからです。
電子透かし[edit]
ウィキメディア・コモンズでは画像に対して目に見える形で電子透かしを入れることを非推奨としています。「Mr.Foobar 2005年5月 CC-BY-SA」のような情報は画像に直接書き込まず、Exif情報に書き込むほうが技術的にも好ましいです。
- ウィキペディアでは記事本文の中に目に見える形で分類情報を書き込みません。分類情報は後回しにして、まずは記事の主題に関して説明を行います。記事にとって中立性を保つのが大事であるように、画像も同じように詳細情報を後回しにします。
- 画像内に直接書き込まれた著作者情報は、画像を加工したり書籍で再利用する際の妨げとなります。書籍などと同じようにコモンズではキャプションや末尾で著作権情報を取り扱っているため、画像に直接署名を入れるとページレイアウトに冗長性をもたらし、記事の著作者情報よりも目立つことで公平性を損ねます。

画像の向き(回転や左右反転)[edit]
Exif情報は画像を回転させたり左右反転させて表示するための「Orientation」というタグを格納できます。ファイルページのメタデータセクションで表示されるデータとその意味は次のとおりです。
タグの値 | 意味
|
---|---|
1 |
Normal |
2 |
Flipped horizontally |
3 |
Rotated 180° |
4 |
Flipped vertically |
5 |
Rotated 90° CCW and flipped vertically |
6 |
Rotated 90° CCW |
7 |
Rotated 90° CW and flipped vertically |
8 |
Rotated 90° CW |

その他のメタデータ形式[edit]
MediaWikiはIIMやXMPのようなExif以外のメタデータ形式も検出することができます。これらの情報はExifと同じように表示されます。Exifほど一般的なデータ形式ではありませんが、Exifよりも多様な情報を格納することができます。XMPはメタデータを複数の言語に翻訳できるという大きな利点もあります。
ファイル形式 | サポートしているデータ形式
|
---|---|
JPG |
Exif, IPTC-IIM (例), XMP, JPEGファイルのコメント (COM segment) |
PNG |
多言語iTXtのサポートを含むPNGテキストタグ(例), XMP (XMPが埋め込まれている場合はExifとIPTCのデータも含む) |
GIF |
XMP (Exif/IPTCが埋め込まれたXMPを含む), GIFファイルのコメント (例) |
OGG |
Vorbis (例)とTheoraのコメント (例) が表示されます |
SVG |
<title> 要素と <description> 要素 (例) 注: <metadata> 要素のメタデータも保存されていますが、処理されません |
TIFF |
Exif (例) |
PDF |
標準的な「ドキュメント情報」 (例)、ページサイズ、、XMP (PDF特有のXMP情報は現在サポートされていません) |
Exif情報の編集[edit]
ツール[edit]
マルチプラットフォーム[edit]
- GNU Image Manipulation Program (GIMP) はExif情報を処理できる無料の画像処理ソフトです。2.9.4 以前のバージョン(安定版ではありません)では Exif ビューアプラグインをインストールする必要があります。
- digiKam は視覚的なインターフェースでExif、IPTC、XMPを処理できる画像管理ソフトです。地図を元にGPS情報を追加する機能も提供されています。
- jheadとExifToolはExif情報のバッチ処理に役立つコマンドラインツールで、XMP、IPTC、Exifやその他のメタデータを編集することができます。ExifToolはUnix、macOS、Windowsの環境で動作します。
- Mapivi(オープンソース)はExifとIPTCのメタデータを追加・編集・検索・削除できる画像管理ソフトです。
※GIMP、digiKam、Mapivi、jheadは、macOSとWindowsで利用できます。
Linux/Unix ユーザー向け[edit]
- Geeqie Image ViewerはGNOMEのオープンソースソフトウェアGQViewをフォークしたもので、画像の表示とExif情報の編集を行えます。一部のキーワードタグは事前に定義されており、チェックボックスから素早く入力することができますが、自由入力のテキストボックスから任意の文字列を入力することも可能です。画像のコレクションに対してバッチ処理を行うこともできます。
DigiKamのようなデジカメ管理マネージャやGwenviewのような汎用画像ビューア(いずれもKDEベース)など、多くの無料画像ソフトウェアはExifを処理できます。テキストコンソールではexiv2などがあります。
macOS ユーザー向け[edit]
付属の「写真」アプリではカメラ情報を表示することが可能で、タイトル、日付、時刻、キーワードの編集が行えます。
JetPhotoを使用するとGPSデータをアルバムに追加できます。JetPhotoはタイムスタンプの情報を元にGPSデバイスからの撮影データを写真のタイムスタンプと関連付けます。JetPhotoは無料で利用することができますが、オープンソースソフトウェアでなないようです。タイトルとキーワードのみ編集可能で、その他の情報は編集できません。
RevealはExifの要約と露出データを閲覧及び編集可能です。
Windows ユーザー向け[edit]
Windows 10ではエクスプローラーでExifのタグ、タイトル、作成者、コメントなどの情報を編集できます。
GeoSetter(無料)、Konvertor(無料)はExifやIPTCのキャプションやキーワードなどを編集することができます。Programs XnView(非商用利用に限り無料)やIrfanView(個人での利用は無料)はIPTCの概要やキーワードなどを編集することができます。BatchPurifier LITE(無料)は利用者のプライバシーを守る目的からExifやその他のJPEGメタデータを完全に削除します。Metadata++(無料)は様々なメタデータ(EXIF, IPTC, XMP...)を編集できます。
ExifTool の使い方[edit]
Exiftoolを使うと説明、作者、著作権、ライセンス情報を設定できます。このとき、ライセンスはCC BY-SA 4.0 国際ライセンスが適用されます。
$ ./exiftool -ImageDescription="This is an example image" -Artist="Artist's name" \ -Copyright="This work is licensed under the Creative Commons Attribution ShareAlike 4.0 International License. \ To view a copy of this license, visit https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0/ or send a \ letter to Creative Commons, PO Box 1866, Mountain View, CA 94042 USA." \ -XMP-cc:License="https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0/" ImageToModify.jpg
このコマンドは通常だと空になっている概要、作者、著作権、XMP-cc:Licenseの4つのタグを設定します。
著作権を設定する一般的な例
$ ./exiftool -ImageDescription="1988 company picnic" \ -Artist="Camera owner, John Smith; Photographer, Michael Brown; Image creator, Ken James" \ -Copyright="Copyright, John Smith, 1988. All rights reserved." Picnic1988.jpg
概要と作者名はASCII形式であることに注意してください。2バイト文字を設定する場合は概要の代わりにコメントも使用できます。
重複したものを含む、Exifグループの全てのタグの現在の値を表示する場合:
$ ./exiftool -a -exif:all ExampleImage.jpg
exiftool
は様々なファイル形式のメタデータを読み書きできますが、PNGなど一部のファイル形式ではExifをサポートしていません。exiftool
が表示するメタデータは必ずしもExifであるとは限りません。
Windows ユーザー向け[edit]
Windows XP 以降、簡易的かつ限定的なものではありますが、Exif情報を編集する機能が備わっています([1]も参照)。画像を右クリックしてプロパティを開き、「詳細」タブを選択してください。XPTitle、XPComment、XPAuthor、XPKeywords、XPSubjectを編集することができます。なお、エクスプローラーは ImageDescription が設定されていれば XPTitle を Artist が設定されていれば XPAuthor を無視して表示します。
ExifToolはドラッグアンドドロップまたはコマンドラインユーティリティとして利用できるスタンドアロン実行ファイルです。Windows環境でExiftoolを利用する場合、パソコンにParlのインタプリタ(ActivePerlなど)がインストールされている必要があります。
画像の説明ページでの位置情報Exifタグの表示[edit]
GPS情報はデフォルトで表示されるフィールドにはなく、「拡張項目を表示」をクリックしたときに飲み表示されます。
また、アップロードウィザード、Commonist(コモニスト)、VicuñaUploader、コモンズのモバイル版アプリを使った場合はアップロード時に地理座標を自動的に読み取り、{{Location}}を編集可能な形式としてページに追加します。その他の方法で位置情報Exifタグを含むファイルがアップロードされた場合、地理情報は[User:DschwenBot|ボットアカウント"DschwenBot"]]が管理を行います。 Commons:ジオコーディングも参照ください。
Flickrのファイル[edit]
一部のFlicker画像をダウンロードすると、無料アカウントの制限により一部のExif情報が欠落します。この問題は次のような方法で対処できます:
- User:InverseHypercube/flickr_exif.pyを使用する。
- FlickrのExif情報ページ(メニューの"Actions" → "View exif info"を開く)を開き、情報をコモンズのファイルページのセクションにコピー・アンド・ペーストして保存する。 その後貼り付けた情報を編集除去して、Exif情報を含む版への固定リンクを残す。
CommonsまたはMediaWikiのExif情報[edit]
Exif情報を含むファイルをアップロードした場合、Exif情報は画像の説明ページ(ページの最後尾に自動で追加される「メタデータ」セクション)に表示されます。 例:File:T-45A_Goshawk_03.jpg#metadata(2009年9月27日にアメリカ海軍 John A. Ivancic中尉が撮影した画像)
Exif情報はMediaWikiの"image"テーブルの"img_metadata"フィールドにシリアル化されたphpデータとして保存されます。例えばFile:T-45A_Goshawk_03.jpgの場合、保存されているデータは次のとおりです:
“ | a:25:{s:4:"Make";s:5:"Canon";s:5:"Model";s:21:"Canon PowerShot S5 IS";s:11:"Orientation";i:1;s:11:"XResolution";s:13:"4718592/65536";s:11:"YResolution";s:13:"4718592/65536";s:14:"ResolutionUnit";i:2;s:8:"Software";s:15:"QuickTime 7.4.5";s:8:"DateTime";s:19:"2008:06:05 10:47:30";s:16:"YCbCrPositioning";i:1;s:12:"ExposureTime";s:6:"1/1600";s:7:"FNumber";s:5:"35/10";s:15:"ISOSpeedRatings";i:100;s:11:"ExifVersion";s:4:"0220";s:16:"DateTimeOriginal";s:19:"2008:06:04 12:51:32";s:17:"DateTimeDigitized";s:19:"2008:06:04 12:51:32";s:17:"ShutterSpeedValue";s:6:"341/32";s:13:"ApertureValue";s:6:"116/32";s:17:"ExposureBiasValue";s:3:"0/3";s:16:"MaxApertureValue";s:6:"116/32";s:12:"MeteringMode";i:5;s:5:"Flash";i:16;s:11:"FocalLength";s:10:"26000/1000";s:10:"ColorSpace";i:1;s:13:"SensingMethod";i:2;s:22:"MEDIAWIKI_EXIF_VERSION";i:1;} | ” |
このフィールドはデータベースダンプまたはApplication Program Interface (API)から取得できます。
APIから取得したリクエストのサンプル: "&prop=imageinfo&iiprop=metadata&iimetadataversion=2"。ファイル形式が変わるとメタデータの形式も変わります。JPEGメタデータ形式と一致する全てのデータを取得する場合は&iiprop=commonmetadataオプションを使用します(mw:Extension:CommonsMetadata/jaの機能によるものです)。ファイルの説明ページまで取得する場合は&iiprop=extmetadataオプションを使用してください。
関連項目[edit]
- Exif 2.3 仕様書
- http://www.controlledvocabulary.com/imagedatabases/iptc_naa.html — IPTCの歴史に関する情報、ITPCを編集できるプログラムの一覧
- https://www.thoughtco.com/graphic-design-4133467 — Exifタグを編集できるソフトウェアの一覧
- Jeffrey's Image Metadata Viewer — オンラインのメタデータビューア(Exifやその他の情報を閲覧できます)
- Jimpl — オンラインでメタデータを閲覧・除去
- MediaWikiのメタデータ処理に関する技術情報